東京高等裁判所 昭和48年(う)2310号 判決
被告人 窪野貢
〔抄 録〕
しかし所論の被告人の呼気を検知する際被告人にうがいをさせないで検知したとの点については、原審では被告人はこれに沿う供述は全くしていなかったもので、当審においてはじめて供述するに至ったものであって、この首尾一貫を欠く供述態度、その他記録に照らし、この点に関する被告人の当審における公判供述部分はにわかに信用しがたく、仮りに右検知時において被告人にうがいをさせなかったとしても、証拠上右検知時におけるアルコール保有量の示度は呼気一リットルにつき〇・五ミリグラム以上であったことが認められるのであるから、右検知の示度は酒気帯び運転について必要とされる最低のアルコール保有量である呼気一リットルにつき〇・二五ミリグラムをかなり超過しているものであって、そのアルコール保有量から推して、酒酔い状態を認定するに足る一資料となりうるものと解されるし、また原判決は単に飲酒検知管の添付された司法巡査作成の酒酔い鑑識カードの検知の示度のみで酒酔い状態を認定したものではなく、そのほか、検知時の見分状況ならびに被告人の自白などから窺われる本件事故前の飲酒量ないし飲酒状況などをも総合して、被告人の酒酔い状態を認定しているのであるから、その間何ら不当はなく、結局原判決には所論のような違法は存在しない。論旨は理由がない。(量刑不当破棄)
(石田一 菅間 柳原)